昨日は、私が取り組んでいる韓流セミナー
のだっちセミナー もっと!韓流プロフェッショナル
の2回目でした。
韓日映像翻訳者 鷹野文子さんに聞く!「韓国ドラマ字幕翻訳の舞台裏」
と題して、韓国ドラマの舞台裏を覗いてみました。
想像通り、ほとんが苦労話!でした。
文字数や行数の決められたルールのなかで、
ぴたりとハマる日本語を入れていく作業。
これはもう、神業の領域だなと思います。
お話ししてくださった鷹野文子さんは、
あの
「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」
の吹替翻訳も担当されているので、
その苦労話が聞けたのも、まさにここだけの話し!
なかでも、鳥肌ものだったのが、
字幕では回文になっているけど、吹替にすると回文にならない
駅三駅(ヨクサムえき)
を、どのように対処したのか、という話です。
字幕では、
「逆から読んでも駅三駅」
ほぼ原語とおりです。
でも、そのまま吹替にするとしたら、
「どっちから読んでもヨクサムえき」
なんじゃそりゃ?
よくさむえき
のどこが回文?
ってなりますよね。
さて、鷹野さんはそれについてどう対処したのか?
というエピソードでした。
無料セミナーでしたので、ここで答えを書いちゃいますが(笑)
「駅(えき)と三(さん)と駅(えき)でヨクサムえき」
という吹替にしたそうです。
(ちなみに、ほんとうは「駅三駅」のテロップも入る予定だったのが、
配信版をみたら、なぜか入っていなかったそう…)
す、すごくないですか?この機転!
もう、天才的すぎて鳥肌ものでした。
まさにこういうのを天才肌というのねww(うう、うまい!)
また、
「原語(漢字語)に引きずられる」
のが、韓日翻訳の最大の難しさとのこと。
たとえば…
「ヨンスジュン(領収書)もらわなくっちゃ」
という台詞は、実は
「レシートもらわなくっちゃ」
が正解だった
という・・・。
なるほど~!!!確かに、原語に引きずられますよね。
サピョ(辞表)という言葉も、辞表という言葉は確かにあるけど、
シチュエーションによっては、「退職願い」という字幕にしないといけないシーンもあるんだとか。
確かに、引きずられる~!!!
こういうお話し、
翻訳のお仕事されている方からは、
「あるある!」
「てか、すでにやっちゃってるかも(笑)」
などのコメントもいただきました。
今回は、字幕は吹替が翻訳者さんの苦労のもと、どうやって完成していくか、にフォーカスあててたので、すでに翻訳のお仕事をされている方には、知っているお話しが多いかな?と心配でしたが、
こういった共感のお声もいただけて嬉しかったです。
字幕の苦労を知ると、韓ドラを見る目がまた変わってきますよね。
「翻訳者さんの苦労や、字幕と吹替の違いがよくわかった」と感想たくさんいただき、講師の鷹野文子さんと一緒に喜びました。
そうそう、
永遠の「オッパ問題」
っていうのがあるのですが、ご存知ですか?
「オッパはオッパのままでいいじゃん!論争」
なんですけど…。
日本語では
「お兄さん」「先輩」「●●さん」くらいしか、オッパを表せる言葉がないので、
しかたなくそうするのですが、
これだと、ふたりの恋愛関係が伝わらないんですよね。
だから、気持ちのこもった「●●オッパ」という台詞、
しかも、ファンにとってはここが萌ポイントでもあるので、
「そのままオッパって字幕でいいじゃん!」
という論争が、度々起きるのです。
実際は、韓国語がまったくわからない人に向けた字幕なので、
そうするわけにもいきません。
ですので、翻訳者さんは、
いかに日々、一言一言、悩みぬいて、字幕をつけていらっしゃるか、
ということです。
頭がさがります!!!
いや、ほんとにほんとに翻訳者さん、ありがとうございます!
今回のセミナーを通じて、
翻訳への関心度の高さがよくよくわかりました。
実は、奇跡的にもこんなすごいベテラン翻訳者さんが、
私の近所のママ友さんなんです。
何か一緒に記念になることしたいね!という話から、
始まったこの企画ですが、まさかの300人もの方からご応募いただきました。
また、後編も企画してみたいと思います!